■ 時の狭間に揺れし者 ■


 あの時から 全てが狂ってしまった

 父である王が その想いごと真っ黒に塗りつぶした

 誰かを思いやる心 愛する心 見えぬ様にべったりと

『王として相応しくなる為だ』

 言い放ってオレたちを見下ろしたその顔を今でも覚えてる

 “兄弟のうち誰が生き残るのだろうな”

 笑みを浮かべた口元 楽しげに細められる瞳


 そうだった

 あれがオレにとって 初めての断罪

 自分自身も罪を背負う事になった瞬間


 初めは時折昔のあんたが現れた

 苦しげな表情と悲しみを秘めた瞳が “自分を止めて欲しい”と言っている様に見えた

 でも 自分には出来なかった

 オレにとって あんたは何よりも大事な兄貴だったから 誰よりも好きで誰よりも尊敬してたから

『だが、魔に属する者を率いるには優しすぎる』

 そうだな 兄貴はこの国の王になるには優しすぎた

 力だけが全てで 弱い者は生き残れない混沌の世界

 だけど 兄貴なりにこの国が好きだった

 好きだったからこそ オレはその傍らで支え続けようと決めたんだ

 その人の面影を宿しつづけてる限りは


 どれだけの時が経っただろう

 兄貴の気配を微塵も感じなくなった頃 あいつに出会った

 突き刺すような鋭い視線にオレは身震いした

 “こいつなら悪夢のようなこの現実を終わらせてくれるかもしれない”

 オレは兄であった者からの命をわざと失敗し 最終地点に辿り着いてくれるのを待った

 “こうする以外には叶えられない”

 そうやって逃げたオレだったけれど 結局手を下したのは自分自身だった

 全てが終わったと思いこんだ後 風が遥か彼方遠くの大陸へ向かったと聞いて 追いかけて


 構えた漆黒の刃 それを突きつけオレは叫んだ

「あんたの願い…オレが今叶えてやる」




うわぁい…ルフィウ、今と違いすぎる(。。;
最初はコーティリアED後のイメージで書きはじめたんだけど、
勢いで書いてしまったからか、エンディングまでになってしまった…はて?
それにしても、ごちゃごちゃしてて分かりにくいなぁ…

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