■ もう一つの追跡劇 ■
「ルィ・ヴィータ!」 目の下に悪趣味な色のペイントをした男が呪文を唱えた瞬間、虹色の光がこっちめがけて伸びてきた。 慌てて避けたものの、こいつを食らったらただじゃすみそうにねぇ。 「クロード捕まえてっ!!」 ついで、女の声に反応する様に、一つの影がぴょんっとオレのそばまで飛んできやがった。 おいおい、10mくらいあるってぇのにどういう足してんだよ。 「悪いけど捕まってもらうからねっ」 飛びかかってきたちびをべしんと叩き落としてオレは身を翻した。 「そう簡単に捕まってたまるかよ」 誰かに魔法をぶち込んでやろうとずらっと並んでいる下の連中を順に見ていって… ふと目が止まったのは、悪趣味ペイント野郎。 “こいつ…” 無表情。だけど、強烈に突き刺さる視線だけは…。 “信じられねぇ。こんな奴が一緒にいるとはよ” ぞくっと背筋に寒い物を感じる。 さっきの魔法もあれで手加減しているに違いねぇ。 「…気に入ったぜ」 聞こえない様に呟いた言葉もあいつにだけは聞こえたらしくて、顔をしかめるのが見えた。 「おめぇら気に入った!」 びしっと指を付きつけ、オレは高らかに宣言した。 「今回はそっちの勝ちにしといてやる!」 「何よそれ!」 剣を振りまわした女がぎゃーぎゃーわめいてやがる。 戦士のくせにやたらと露出した腕やら足やらにペインティング…こういう女はオレ嫌い。 嫌いだから思いっきり無視。 「どういう事ですか?」 今度は真っ白の服が月明かりを思いっきり反射してなんかまぶしい奴。 派手じゃねーけど…ジャラジャラぶら下がった飾りが、おめー隠れるのに向いてねーって感じ。 ま、これくらいなら嫌いじゃねぇから、にたにた笑って…一世一代の大舞台の幕開け。 「言っただろ、オレはおめーらが気に入った。今回は譲ってやるけど、これで終わったと思うなってこった」 “追ってこいよ、オレをさ” 「逃げられると思うなよ、どこに行ってもおめぇらを見つけてやる」 “…逃げるオレの足跡を踏んで” 「何せ、このエルシャントの3王子ルフィウ様を釘付けにした初めての奴だからな」 “辿り着いてくれよ” 「だから…勝負だ…!」 “悪夢の始まりに” ルフィウサイド〜(ぁ 彼ってある意味一目惚れしたのかも(Firstではちゃんと顔あわせてないし(’’ 悪趣味ペイント野郎…ご存知ない方のために一応説明を。 『赤と青の追跡者』シリーズでのエアトルさんの顔にはペインティングがしてありまして 目の下を切って血が滴っているように見える物なので悪趣味と(しかも紫ですよ、えぇ( |