□ 不思議ポスト □
開けたポストの前、2人して中身を見つめた。
「…これは、一体どういう意味なのだろう?」
「分からないでし…」
中身は鍵をかけた人物からも想像付かなかったのだが、よもやこんな物が入ってるとは全くの予想外。
無造作に転がる物を手に取るわけでもなく、しばらく呆然と眺めやった。
「うーん…」
次に“それ”をつまみ上げて、眼力という物があれば穴が開く程に見つめる。
もしかすると同じ名前の他とは違う特別な物かとも思ったが、どうやらそうでもないらしい。
「どうでしか?」
ポストに手を掛け背伸びして、手にある物をじ〜っと見上げるねこ。
「…自分で見てみるといい」
渡した“それ”を隅々まで見た後、私の手に戻しながら首を傾げる。
「どこも変わらないでし」
どう見ても、それが何であるかは明白。
どこからどうやって見たとしても“あれ”でしかない。
「だが、何でこれ1つだけを入れてロックしたのだろう」
「ん〜…どうしても、渡したかったからじゃないでしか?」
「…この☆海にあって持って行く者がいると思うか?わざわざこのポストから“これ”を」
“それ”をコロコロと手の中で転がす私に、ねこは首を力いっぱい振りまわす。
「絶対にないでし」
小さな子供でも違うと断言出来るような物が、大事にロックまでされて入っていたのかが全く分からない。
「う〜ん………」
メッセージが残っていれば真相を多少なり予想出来たかもしれないが、これを残していった人物は何も書きこんでおらず…
謎は深まるばかり。
悩みに悩み抜いたその時、ねこが呟いた。
「もしかして…いたずらじゃないでしか?」
「悪戯?」
うんうん頷くねこはこう続けた。
「だって、これだけがぽつんと入ってたら、わたしたちはとってもびっくりしまし。
でも、あの人がいたずらするなんてまず思わないから、今みたいに絶対何かあるんじゃないかって考えまし」
「と、言う事は…うまい事引っかかったってことか…」
“それ”を眺めて思わず苦笑い。
そういえば、今でも語り継がれる逸話があった。
あまりにも途方もない話で笑うしかないのだが、かつて1APで“これ”を売った者がいるという。
まぁ…売られた本人には何とも笑えない話だがな。
別の視点から見れば、その人にとって買った瞬間から“それ”は他の物にはない価値を持つだろう。
“1APで買ったNuts”
その人にしか意味がないのだが、その瞬間から他の物とは一線を画する事になる。
今、私が手にしているのもきっと同じ。
ロックを掛けず、そのまま放置されていたならただのNuts。
しかし、ある人物に掛けられた瞬間から、特別な物へと変わった。
…そのおかげで、こんなに考える羽目にもなったのだが。
不思議なナッツ…何故これ1つが入っていたのかさっぱり分かりません。
この中ではとりあえずいたずらという事にしておきましたが、真実は他にあるかもしれません…(笑)
<追加>
え〜…日記でも書きました通り、このナッツ…実は大昔から☆海にあったナッツだそうですw
☆海を愛する人にとってはもう垂涎の品ですね(何
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