悩む旦那様


「いざとなったら闇討ちに」
 直後、同じような事を口にされる青龍さん。
 結婚を控えている彼と、もうすでに既婚者である私との共通点は…まさしくこの事でした。

 “結婚しても追っかけはやめない”と宣言している花嫁。
 “結婚しているけど追っかけてる”フレイア様。
 私も彼もやきもち焼きを自覚しているだけに、状況はまるで同じ。
 それで初めの言葉になるわけです。

「こっちも誰かの追っかけになって仕返しだ」
 冗談めかせておっしゃる青龍さん。
 あぁ…それは無理ですよ。
 女性の知り合いが多いってだけでも、離婚の危機に陥るのですから、追っかけなんてした日には、鞭が飛ぶか串刺しか(ぉぃ
 自分の追っかけはよくても、夫の追っかけは許せないというのは、横暴と言うか…
 これも口に出して言えば後が怖いですけれど(;
「でも、赤毛の女性は結構似ているのかも…」
 エクセルさんにせよ、フレイア様にせよ…
「ねぇ?」
 微妙な感情を含ませて青龍さんに問い掛けますと、これまた微妙な表情で「ねぇ?」と
 …妙な連帯感が生まれそうです。

「いやはや…微妙に先行き不安になったのは言うまでも…」
 ここにちょうどいい例がいるだけにそう思われるのも当然の事でしょう。
 そっくりそのままの先例…いやいや、先輩として言わせていただきますと、
「まぁ、それも日常のスパイス…槍が突き刺さるのも、雷が落ちるのも、雨が降るのも…」
 私の場合、これじゃすまないのも事実なのですけれど。
「子供が緩和剤」
 ただ…こちらにいると、3人とも居ないのでどうしようもないですね。
 遠い目をして呟く私に、生ぬるい視線が注がれていました。
 こんな話を聞かされても、顔が解けそうなほどに幸せそうな表情ですが、それも今のうちですよ。
 やきもち焼きにとっては、結婚後が更に苦難の日々です、えぇ。
 まぁ、モテる本人が気付いていないというのも、それはある意味では罪な事かもしれませんよね。
 私なんかその気付かなさ加減に、時々剣に手…(中止

 結婚式の話題になると、青龍さんの顔がますますデレデレ〜っと…もう顔面崩壊。
「結婚式の日ころされそうだ…」
 血染めのタキシードの出来あがりは、ほぼ決定のようですけれど?
 まぁ、仰ってる事の割には嬉しそうな事この上ないって感じ。

 しかし、その表情も次の瞬間にはずーんと沈んだ顔に変わってしまいました。
「“シュノーさんを殴っちゃだめ”とか言われたらどうしよう」
 可能性が全くないとは言えないのが寂しい所ですよね。
 フレイア様なら…間違いなく言います(がっくり
 否定どころか肯定しか出来ないのは余計に寂しいもので…

「まぁ、その時は丸のみで」
 そうしたら、追っかけの心配もなくなりますし。
「後顧の憂いは絶つべし…」
 呟きつつ“くっくっく…”と、我ながらよからぬ感情を帯びていると思える笑い声。
「そうすれば、お互い家庭円満!?」
 もちろん家庭円満ですよ。もうこれ以上はないってぐらいに素敵な結末です。
「は…実行犯の俺が嫌われ者に…」
 …バレましたか(ぇ
 
 それにしても、Schneeさんは一体何組の夫婦を離婚の危機に追い込むのやら。
 青龍さんの様に、結婚前から心配されている方までおられますよ(笑


 こんな話で盛り上がった数日後、メイドにされそうな青龍さんが叫んでいました。
「身も心も捧げた女性がいるというのに!」
 …ごちそうさま(ぇ




書いたのは、こんな話をした本当にその日だったわけですが、
当時は結婚自体を直前まで公表しないという方針だったので、結婚後まで封印となりました(w
異様なテンションの元、家庭円満の法則を語り合ったのは楽しかったです…( ´-`)
時々、2人で奥さんに対しての愚c…じゃなくてのろけあいをしましょう(ぉぃ
…青龍さん頑張れっ!(>w<)ノ

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